エルバン トラディショナルインク ラルム・ド・カシス

色とりどりのインクをとっかえひっかえ吸わせてきたフォルカンのしなやかな14金ペン先は、新品の淡い金色から若干くすんだ薄い青紫色へとわずかに染まってきました。いまだ不調知らずのこのペンがますます愛おしくなります。大事にしたいですね。

購入してから1年が経ったパイロットの特殊ペン先万年筆「カスタム743 フォルカン」と、最近使い始めたエルバンの筆記用インクシリーズ「トラディショナルインク」から「ラルム・ド・カシス」というインクを合わせてみました。

エルバンはフランスの歴史あるブランド。1670年、もとは手紙や文書に封印を施す「封ろう」に使用される質の高いワックスの開発から始まったエルバンは、300年以上経った今でもフランスの定番ブランドとして君臨し続けています。

色味は暗い赤紫。枯れたパープルです。紫系のインクのなかではめずらしく薄く淡い色で、彩度が低いためか暖かく優しい東洋的な雰囲気。暗くなりがちな文字の線も、赤紫色であることが一目でわかります。ウォーターマンの「テンダーパープル」とはその意味で対極に位置する色味ですね。幼い頃色鉛筆の好きな色としてよく使っていた「すみれ色」を連想しました。
色の濃淡の表現は程々という感じ。色味の変化もなく、インクを重ねてもあまり濃くなりません。あくまで淡い紫一直線というところが気に入っています。
インク自体はとてもサラサラ。フローが潤沢すぎるためか文字の線がわずかににじんでいます。紙との相性もありますが、外国製のフローが渋めの万年筆に合わせて作られているのかもしれません。絵にあるような細目の線ではにじむことがありませんでした。

「ラルム・ド・カシス」とは「カシスの涙」という意味だそうです。ロマンチックで繊細なネーミングにセンスを感じます。普段使いに使用できる目に優しい紫色をお探しの方にピッタリではないでしょうか。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です