TAG STATIONERY 京彩 祇園の石畳

去る2月27日、長期休業中だったイタリアのメーカー「デルタ」が正式に廃業を発表しました
前にも話題にしましたが、復帰が絶望的な状況だっただけに「やっぱりか」という感じも無きにしもあらずです。それでも、現実のものとなってしまうと悲しいものです。デルタでお仕事をされていた職人の方々が今後どのように活躍されるのか気になるところでもあります。

さて、インク好きの方はご存知のこととは思われますが、日本にはいわゆる「ご当地インク」と呼ばれるものが存在します。その定義ははっきりしませんが、基本的に発売している地域由来やお店ゆかりの色味で、全国展開されておらずその地域やお店でしか手に入らない限定品のことを指している印象があります。

まさしく無数に存在し、そのすべてを把握できません。あからさまに言うと、製作しているメーカー自身でさえ、どんなインクを作成したのか全容をつかんでいないのではないかと感じるほどです。「インク沼は底なし」の所以ですね。
今回はそのご当地インクのご紹介です。

「超ソフト調」とうたわれるパイロットのペン先「フォルカン」を組み込んだオリジナル万年筆「アガツマ」と、「文具店TAG」から発売されているオリジナルボトルインク「京彩 kyo-iro」シリーズより「祇園の石畳(GION-NO-ISHIDATAMI)」を合わせてみました。

京彩は、京都が拠点の文具店TAG(株式会社タケダ事務機)が展開するオリジナルブランド「TAG STATIONERY」の万年筆ボトルインクシリーズです。お店の近所にある「京都草木染研究所」と共同制作されていて、歴史ある京都の優美な風景を忠実に再現したという、まさに情緒あふれる「メイド・イン・京都」なインクなのです。

今回は、このブログ初のご当地インクのご紹介としてこの祇園の石畳を選びました。パッケージには舞妓さんの姿があります。
古の町のしきたりが色濃く残る花街祇園では、夜になると稀に石畳の街道を舞妓さんが歩く姿を見かけることがあります。舞妓さんに出会うっていうのは結構レアというか、あまり観光中に見かけることって少ないような気がしますが、最近はイベントやテレビ取材で日中でも露出する機会が多くなったと聞きます。
やはり舞妓さんといえば京都、京都といえば舞妓さん、というイメージって昔からありますよね。

このインクの色味は薄いこげ茶色。少し枯れた感じのする黒めのブラウンです。彩度が低めの落ちついた色で、年月を経て古くなった木材が水で塗れたときのようなしんみりとした艶っぽさがあります。色味は濃いですが軽くクリアーな印象もある立体的なインクです。
茶色系のインクにしては色の濃淡がよく表れ、濃い部分はセピアっぽく、淡い部分はより灰色っぽくなります。
インク自体はさらっとしていますが、フローは渋め。ペンポイントを紙にしっかりと平行に接することを意識しないと安定したフローが得られませんでした。筆圧が軽めの方やクセのある書き方をされる場合は注意が必要です。

紙面を素手で触った際に手の油や汗が付着した場合、付着した部分はインクが弾きやすくなり乗りが悪くなります。これはどのインクや紙でもありえることですが、このインクに関してはその影響が極端だった印象があります。フォルカンとの相性もあるのでしょう。かなり繊細なインクのようです。

限定色も発売され好評を博しているTAG STATIONERYのオリジナルインク。渋めの色味が多くラインナップされているので、使っていくのが楽しみです。
ご当地インクであるのに通販も対応されているのが嬉しいですね。ご興味のある方は手にしてみてはいかがでしょうか。

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