没食子インク(古典インク)の性質 ~ 色の変化について

とりわけインクをとっかえひっかえ使用していると、何かと話題に上る「古典インク」「没食子」の言葉たち……
今回このブログでは、現代においては廃れてしまった古のインク、最近では「古典ブルーブラック」「古典インク」と呼ばれるものを取り扱ってみます。廃れたとはいえ根強いファンも多く、近年ではさらに洗練され、新製品も発売されたりもしています。

このいわゆる古典インク、何が魅力なのかというとやはり色味が変化することが第一に挙げられるのではないでしょうか。
このインクが紙面に落ちると、青色の染料の色味から、空気に触れた鉄分が酸化することに伴い黒色化し、徐々に黒に近づいていく特性を持ちます。「ブルーブラック」とは青と黒の中間という位置づけではなく、本来は、青から黒に変化する様子を指していたのですね。
また、よくいわれる特徴として、このインクは酸性なので、万年筆に長時間入れておくとペン先などの金属部を酸化させて壊してしまう可能性があるため、普通の染料インクと比べて扱いに気を使うものとされています。しかし、この話題はまた別記事を設けたいと思っています。

今回は、現在(2018年4月)筆者が日本で入手できた4種の没食子インクを用い、紙に染みたインクの色調がそれぞれどのように黒色化していくか観察します。
その結果を動画化してみましたのでご覧ください。要は、アハ体験動画です。

試用したインク
ペリカン 4001/76 ブルーブラック (以下「ペリカンBB」)
ダイアミン レジストラーズインク (以下「レジストラーズインク」)
ローラー&クライナー サリックス (以下「サリックス」)
カヴゼットインク IG ブルーブラック (以下「IGBB」)

用紙
ツバメノート PLAIN フールス紙

試筆方法
ボトルインク内に綿棒を漬けた後、綿棒の先の余分なインクをボトルの縁で切り、紙面に引く。

観察時間
試筆から5秒後と1分後、6時間経過した状態をそれぞれ比較する。

室内環境
室温はほぼ22度固定。紙面は極力無風とする。

光源
ベースライトはいわゆる昼白色の室内用LED照明器具。
補助光として、マイクロスコープに付属の昼光色LEDランプ。これはおまけ程度のものなので、演色性は良くありません。

……なんだか仰々しく文言を並べていますが、化学の知識を何も持たない一般人が実験と呼ぶのも怪しいことをやっているだけなので、結果の信憑性や妥当性は期待しないでくださいね。
ペリカンBBの開始数秒の照度が高めなのは、光量を間違えているからです。
また、各インクで濃度が異なるように見えます。これも何度が試行錯誤しましたが、用紙が綿棒からインクを吸いだす量がインクごとに異なるようで、現状どうしようもありませんでした。濃度の薄いものはインクを乗せる量を多めにすれば濃くすることもできます。しかしそうすると、4種の酸化過程が公平にならなくなる気がして控えました。このあたりはご了承ください。

色の変化が大きかったのがカヴゼットインクのIGBB。発色自体も綺麗で、気持ちの良い黒色変化です。
IGBB程ではないにしろ、変色の度合いが大きかったのがダイアミンのレジストラーズインク。変色が一定で時間をかけて黒に向かう印象。ローラー&クライナーのサリックスとペリカンBBは、特にサリックスの青色の発色が良いものの、黒への変化は抑えめ。それでも、変色か進行しているのはわかると思います。ペリカンBBは色自体が薄めのためわかりづらいですが、それでもやんわりと黒っぽくなっているのがお判りいただけるかと思います。

パッケージ

動画を作ること自体も久々だったので、一つずつパソコンソフトの操作を思い出しながら作ってみましたが、いかがでしたでしょうか。古典インクの色味の変化をお伝えするには文章よりも動画のほうが判りやすいだろうと思って撮ってみました。
仰々しい編集などはできないのですが、また面白そうな話題があれば、動画化したいですね。

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