TAG STATIONERY 京彩 蹴上の桜襲

花粉、スギだけかと思ってたらヒノキもどうやら持ってそう。
春は暖かくて清々しいので大好きなんですが、こればっかりはどうにも致し方なし。本気でお薬を検討しようかしら。

パイロットの特殊ペン先「フォルカン」を組み込んだオリジナル万年筆「アガツマ」と、文具店TAGオリジナルブランドのボトルインク「京彩 kyo-iro」より「蹴上の桜襲(KEAGE-NO-SAKURAGASANE)」を合わせてみました。最初は「さくらがさね」って読めませんでしたね。日本語難しい……

蹴上にある桜の名所、といえば「インクライン」でしょうかね、やっぱり。
インクライン=傾斜鉄道。かつて荷物の輸送に船が大活躍していたころ、斜面が急すぎて船で下れない箇所は、迂回して荷物を船ごと運搬することで効率を上げていました。その運搬に使用されたのがインクラインというわけです。いわばケーブルカーです。
近年道路が整備されてトラックがバンバン走り回る現在の日本では船運自体が激減し、当然ながらインクラインも使われなくなりました。しかし、 廃線跡にはソメイヨシノやヤマザクラが植えられ桜並木となっていて、線路とともに歩くことができます。鉄のレールと桜。不思議なコントラストですよね。

「襲(かさね)」についてですが、筆者もよく知らないのでインターネットの力を借りてみました……

日本の平安貴族のたしなみで、複数の着物を重ね着することを「襲」といい、着物を重ね着したときの配色のことを「色目(いろめ)」と呼びます。
衣の配色美は「襲色目(かさねのいろめ)」といい、公家の作法のひとつとされていました。配色は主に自然を題材にしていて、非常に多彩なバリエーションがあったようです。それらを季節や着る人の年齢によって使い分けていたというのですから、当時の公家の人々の色彩感覚は鋭かったのでしょうね。
桜襲と呼ばれる配色はやはり桜色を表すものとなりますが、ズバリピンクではなく、表に白を羽織り、中に赤系の色を複数重ね着し、それを袖や裾で少しずつずらす事でグラデーションをつくり桜を表現していました。用はレイヤーですね。単純に赤といっても紅や紫など様々な色を用いることで個性を出すのだそうで、繊細で雅な文化であることがうかがえます。
とてもカッコイイ文化だと思いますが、外国の方々にはどう映るのでしょうね。

そんな桜を題材にしたインクの色味は、濃いピンク。若干青よりの桃色です。ソメイヨシノのような淡いピンクではなくハキハキとした印象のダークな桃色で、紫っぽくも見えます。濃いピンクのインクはめずらしいのではないでしょうか。
色の濃淡はよく表れ、まさに「襲」のような鋭敏な色合い。インクを重ねるとかなり濃くなり黒に近い色になります。
インク自体はさらさら。フローは渋めでも安定しています。渋いほうが繊細な線を表現しやすかったりもするので助かるのですが、線自体はどうしても細めになるので気になる方は注意が必要です。

昔の日本人は自然から受けるインスピレーションが本当に多種多様で驚きます。色の文化を大切にしていきたいですね。

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