TAG STATIONERY 京の音 濡羽色

この記事のアイキャッチ画像のオオカミの絵、パッと見たときなにか違和感がありませんか? 実は、二種類の万年筆で顔半分を描き分けています。この件については別記事でご紹介する予定ですので、よろしければそちらもどうぞご覧ください。


さて、その二つの万年筆のどちらとも合わせてみたインクは、京都の文房具屋さん「TAG(株式会社タケダ事務機)」様が展開するオリジナルブランド「TAG STATIONERY」のボトルインク「京の音(KYO-NO-OTO)」シリーズより「濡羽色(NUREBAIRO)」です。以前同ブランドの「京彩 kyo-iro」シリーズをご紹介しましたが、そちらと同じで地元京都がテーマのいわゆる「ご当地インク」となります。
このシリーズは平安時代の伝統色をインクで再現しているそうです。

濡羽色とは、カラスの翼のような光沢を持つ黒のことで、平安時代にまとめられたとされるかの有名な和歌集「万葉集」にも登場します。別名「濡烏(ぬれがらす)」「烏羽色(からすばいろ)」。黒く艶やかな女性の美しい髪をあらわす言葉なのだそうです。日本らしい表現ですよね。現代ではなにかとマイナスのイメージがあるカラスも光栄だろうな……

カラスの色ってたしかに黒なんですけど、真っ黒ではなくて複雑な色味なんですよね。黒光りすると鈍い緑や紫っぽい色を感じます。
このインクもパッケージから想像するに無機質なブラックを想像していたのですが、実際の色味は非常に濃いブルーグレーです。文字を書いてみると確かに黒にしか見えません。しかし、絵のほうをよく見るとほんのわずかに青みを感じます。とはいえ、この微妙な色味がスキャンされデジタル情報となった状態でどこまで再現されているかわかりません。分類するならば間違いなく黒系のインクでしょうけど、太陽光や演色性の高い光源でないと判別できないかもしれませんね。
インク自体はさらさらです。インクフローは普通。前シリーズが渋めだったのに対して、このインクは割とフローがよいです。されども他のインクと比べると特段フローがよいというわけではありません。
色の濃淡は全くといってよいほど表れません。極細の線を何本も描き重ねていくと辛うじてブルーグレーを感じることができる程度です。にじみが発生しないのはすばらしいですね。

和色の色名称は古の日本人の美意識が反映されていて面白いですね。難読な名称も多くて呪文のようなものもありますが、なぜか親しみを覚えてカッコイイと思ってしまう……もっとこういうインク増えてくれないかな~

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