エルバン トラディショナルインク ヴィオレパンセ

エルバンのトラディショナルインクは、今年(2018年)新色が発売されていたのですね。手に入り次第、ご紹介したいと思います。

パイロットの特殊ペン先「フォルカン」を組み込んだ木軸のオリジナル万年筆「アガツマ」と、フランスの老舗メーカー、エルバンのボトルインク「トラディショナルインク」シリーズより「ヴィオレパンセ」を合わせてみました。
集中的にご紹介してきたこのシリーズも、ひとまずここで一区切りとなります。

「紫のパンジー」「紫のスミレ」という花の名前のこのインクは、1966年までフランス全土の小学校で学校指定色として生徒たちが日常的に使用していたという、フランス人にとって馴染み深いインクなのだそう。黒でも青でもなく「紫」というところに、意外性と、フランス人のセンスが光りますね。

色味はというとズバリ紫なのですが、このインクは変色があります。書き出したばかりの色味は赤が強く、その後数秒で赤みが引き画像のような色味になります。彩度が高くかなりくっきりとしたパープルですので、文字をびっしり書くと目が疲れるかもしれません。そういう意味での視認性の良さは、同じ紫系統の「ムーンシャドウ」に軍配が上がります。
色の濃淡はほとんど表れず。この特性も学生たちの板書に適していたのでしょうかね。はっきりとしたバイオレットを延々書き続けることができます。
インク自体の粘度はややサラサラ。このシリーズのインクの中では割と粘度を感じる部類ですが、とろみは無く、一般的なインクとして使用できます。インクフローも多すぎず少なすぎずの量で安定。そしてこれも例に漏れず、使用している用紙のファブリアーノ クラシコでは盛大ににじみました。

日常から万年筆やつけペンが遠ざかってもなお愛され続けるこのインク。当然時代によって成分や色味も異なるのでしょうが、人生における多感な年頃に目にした色というのは、その後も永く人の心に残るのでしょうね。芸術に長けた国フランスは、こういうところからも垣間見えます。

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